イーサリアムのガス代は高いって聞くけど、いくらくらいなの?
リアルタイムで確認する方法があれば知りたいです。
このように今回は、イーサリアムのガス代を確認する方法を紹介します。
この記事でわかること
- イーサリアムのガス代をリアルタイムで確認する方法
- そもそもなぜ、イーサリアムのガス代は高いのか
- イーサリアムのガス代を安く抑える方法
本記事では、イーサリアム(ETH)のガス代をリアルタイムで確認できるサイトを3つ紹介します。
イーサリアムブロックチェーンを利用する人の多くが利用しているサイトですので、じゅうぶん信頼がおけます。
最後まで読んでいただければ、少しでもガス代を抑えてイーサリアムを利用する術が身につくはずです。
ではさっそく、参りましょう。
イーサリアムのガス代とは
イーサリアムのガス代とは、NFTの取引などにおいて、イーサリアムのブロックチェーンを利用した際に発生する手数料のことです。
多くのNFT取引には、イーサリアムのブロックチェーンが利用されており、そのイーサリアムチェーン上に取引履歴を記録します。
記録するに際して膨大な量の計算を必要としており、それをおこなう「マイナー」への報酬としてガス代が支払われる仕組みとなっています。
そもそもなぜガス代がかかるのか
イーサリアムチェーンの利用において大きなネックとなっているガス代ですが、なぜかかるのでしょうか。
理由は3つ。
マイナーへの報酬
先ほど少し触れたとおり、マイナーへの報酬を支払うためにガス代がかかっています。
マイナーによる「マイニング」と呼ばれる承認作業は、取引履歴を記録するためには欠かせない作業ですが、膨大な量の計算処理を必要とするため、大きな手間と電力を消費します。
それらエネルギーへの対価として、ガス代が必要なわけです。
イーサリアムネットワークの負担を軽減するため
2つ目の理由としては、イーサリアムネットワークの負荷を軽減するためです。
イーサリアムの暗号資産であるETHは、ビットコインに次ぐ人気を誇ります。
さらにNFT取引においては、スマートコントラクトという仕組みを活かして、多くのプラットフォームでイーサリアムチェーンが利用されています。
そのため、世界中で取引が実行されるとサーバーに多大な負荷がかかってしまいます。
それを防ぐためにガス代という手数料を課して、ネットワークの負荷をコントロールしているというわけです。
悪意ある攻撃を抑制するため
3つ目の理由としては、悪意ある攻撃を抑制するためです。
というのも、手数料は1回の処理ごとにかかります。
そのため、悪意を持って取引しようにもコストがかかってしまいます。割に合いませんね。
それゆえに、悪意ある攻撃を抑制することができるというわけです。
これは初めからそういう意図はなかったはずです。
おそらく、あとから結果的に攻撃を抑制する役割が付与されたといえるでしょう。
イーサリアムのガス代の計算方法
ガス代がいくらなのか把握するには、イーサリアムのガス代がどのように算出されるのかを知っておく必要があります。
計算方法は次のとおりです。
ガス代(ETH)=ガスプライス(Gwei)×ガスリミット(Gas Limit)
この式で算出される額はあくまで最大値ですので、実際に支払った金額がそれ以下であれば、余りは返金されます。
ガスプライス(Gwei)とガスリミット(Gas Limit)というなじみのない単語が出てきたので、次に紹介します。
ガスプライス(Gwei)とは
ガスプライスとはガス代の構成要素のひとつで、単位は「Gwei(ギガウェイ)」を使用します。
1ETH(イーサ)の10億分の1をあらわす単位であり、
1Gwei=0.000000001ETH
となっています。
取引の込み具合により変動し、トランザクションが活発であれば多くのガスプライスを必要とし、ゆっくりであれば必要とするガスプライスは少なくて済みます。
とはいえ、あまりにも支払うガスプライスが少ないとトランザクション処理に時間がかかり過ぎてしまいます。
下記で紹介しているサイトで適切な額を確認してから設定するといいでしょう。
ガスリミット(Gas Limit)とは
ガスリミットとはトランザクション処理において使用するガスの最大値で、単位は「Gas」です。
このガスリミットが設定されていることにより、際限なくガス代が上がるのを防いでくれます。
この数値はいわばガスの量であり、処理速度と密接に関わってきます。
自分で設定することも可能であるため、多く支払えば処理速度は上がり、少なければ処理速度は下がります。
あまりにも少ないと、未承認に終わることもあるでしょう。
とはいえ、基本的にはすでに設定されている数値のままでOKです。
イーサリアムのガス代が高い理由
イーサリアムのガス代の高さはここ数年大きな問題となっています。
理由としては、次の3つがあげられます。
では、ひとつずつ解説します。
イーサリアムのトランザクション数が多いから
ブロックチェーンの仕組みとして、トランザクション数が多いほどガス代が高くなります。
より正確にいうと、処理件数が多くブロックチェーンが込み合う状態になると、ガス代が高騰してしまうということです。
そして、イーサリアムのブロックチェーンはとくにその傾向が強いとされています。
というのもイーサリアムは、スマートコントラクトという機能が搭載されていることにより、多くのNFT取引において利用されているからです。
よってイーサリアムはトランザクション数が膨大となり、ガス代が高騰してしまうのです。
ETHの価格が高騰しているから
イーサリアムの暗号資産であるETHの価格が高騰しているのも、ガス代が高い理由のひとつです。
なぜなら理由は単純で、ガス代が「ETH」だからです。
ETHの価格変動によって、ガス代も上がったり下がったりします。
そして前述のとおり、イーサリアムはトランザクション数が多いため、需要供給の関係でガス代が高騰するというわけです。
マイナーがガス代の高い取引を優先しているから
トランザクション数が多くなるとマイナーは、ガス代が高い取引を優先して承認するようになります。
これは当然の話で、同じ手間であれば、より多くの報酬が得られる取引を選んで承認したいと考えるでしょう。
すると、安いガス代ではなかなかトランザクションが通らなくなるので、優先して承認してもらうためにガス代を上乗せするよう利用者が増えてきます。
その結果、ガス代が高くなるという仕組みです。
イーサリアムのガス代をリアルタイムで確認する方法
イーサリアムチェーンを使って取引をするのであれば、ガス代の相場がいくらくらいなのか知っておく必要があります。
そうでないと、無駄に多く支払ってしまう可能性があります。
それではいつまで経っても儲けは出ませんし、継続もむずかしいでしょう。
そこで、イーサリアムのガス代が現在いくらくらいなのかを確認できるサイトを3つ紹介します。
- Etherscan
- ETH Gas Station
- ethereumprice
では、順に紹介します。
Etherscan
Etherscanではイーサリアムチェーン上に書き込まれた各種取引データを確認できます。
「Ethereum Gas Tracker」では、優先度に応じて3段階に分けられたガスプライス(Gwei)が表示されています。
15秒ごとに更新されるので、その時々のガスプライス(Gwei)が把握できて便利ですね。
たまたまこの時はネットワークが空いているためどの数値も同じですが、混雑状況によっては差がでますので、いちど確認してから取引することをおすすめします。
ETH Gas Station
ETH Gas Stationでもガス代を確認することができます。
「速い」「標準」「ゆっくり」の3つの取引スピードに応じて、ガス代が表示されています。
さらに下へスクロールすると、下記のデータも掲載されています。
右の図ではリアルタイムのガス使用を表しており、100に近いほど取引量が多いことを示しています。
こちらでは、ガス価格別の取引件数とガス価格による確認時間を表しています。
ethereumprice
ethereumpriceというサイトは時間帯別にガス代を確認できる点が特徴です。
「Ethereum Gas Price Chart」では、イーサリアム価格の経時的なチャートを示しています。
過去1週間分が表示され、何曜日の何時ごろにガスプライスが高騰したのかが視覚的にわかります。
さらにカーソルをチャート上に合わせると、具体的な時間やガスプライスの額も表示されます。
このチャートを分析すれば、高騰の原因が突発的なものなのか、曜日ごとの傾向なのかが判明し、取引タイミングの参考になるでしょう。
そのすぐ下にあるのが、「Gas Price by Time of Day]というヒートマップです。
時間帯別のガス価格を色の濃淡で示しており、濃いほどガス代は高く、薄いほどガス代は低くなります。
具体的なガス価格が知りたい場合は、先ほどと同じようにカーソルを合わせれば確認できます。
時間帯によるガス価格の動きや傾向を把握して活用したいという人は、ぜひこのサイトを参考にしてみてください。
イーサリアムのガス代を安く抑える3つの方法
一時期にくらべればイーサリアムのガス代の高騰はだいぶマシにはなりましたが、それでもまだ高いです。
そこでここからは、イーサリアムのガス代を安く抑える方法を3つ紹介します。
では、順に見ていきましょう。
ガス代が安いタイミングで取引する
当然ですがガス代はつねに変動しており、曜日や時間帯によって金額に大きな差が見られます。
土日は比較的安く安定しています。平日では15~19時の時間帯は安く狙い目でしょう。
一方で、深夜から昼前にかけてはもっともガス代が高い傾向にあります。
これらはすべて、トランザクション処理の込み具合によるものです。
つまり、トランザクションが混雑している時間帯に取引するのは避けたほうがいいでしょう。
そして大事なのは、ガス代の相場を知っておくこと。
上記で紹介した3つのサイトで、適切なガス代を把握しておくことをおすすめします。
処理速度を遅くする
処理速度を遅くすることで、ガス代を抑えることができます。
「遅くていいから、その代わりガス代安くしてっ!」
というわけです。
OpenSeaではメタマスクの利用時に、下記の3つから処理速度を選択できます。
- 低速
- 中速
- 高速
低速にするだけで確実にガス代を安く抑えることが可能ですので、急ぎでない場合にはおすすめです。
トランザクションを整理してまとめる
ガス代は1回の処理ごとにかかるため、できる限り整理してまとめてトランザクション処理をおこなうといいでしょう。
きっと地道でめんどうな作業でしょう。
しかし1回の処理ごとにガス代を支払っていた場合、もしそれが少額であったとしても総額は馬鹿にならなくなります。
できる範囲で実践してみてください。
まとめ:イーサリアムの適切なガス代を把握しよう
今回はイーサリアムのガス代について解説しました。
要点は以下のとおりです。
イーサリアムのガス代が高い理由
- イーサリアムのトランザクション数が多いから
- ETHの価格が高騰しているから
- マイナーがガス代の高い取引を優先しているから
ガス代を確認できるサイト3選
ガス代を安く抑える3つの方法
- ガス代が安いタイミングで取引する
- 処理速度を遅くする
- トランザクションを整理してまとめる
イーサリアムチェーンの利用状況を考えると、ある程度ガス代がかかるのはどうしても避けられません。
しかし安く抑えることはできます。
ガス代が高いから利用をやめるのではなく、適切な額を把握したうえで最適な方法とタイミングで取引をおこないましょう。